第17回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞した倉井眉介さん。
受賞作「怪物の木こり」はサイコパスVSサイコパスというとんでもない設定で話が進みます。
この作品について、浜辺美波さんもテレビ番組「今夜くらべてみました」で絶賛していました。
そんな倉井さんはどんな経歴の方なのでしょうか?
出身地や大学などを調査してみました。
倉井眉介さんはどんな経歴の人?
倉井眉介さんのプロフィール
出典:タウンニュース
本名:黒岩悠介
生年月日:1984年3月生まれ
出身地:神奈川県横浜市戸塚区
趣味:自転車
利き手:左手
南戸塚小学校、南戸塚中学校を経て、戸塚高校に進学。帝京大学文学部心理学科卒業。
本が好きになったきっかけの本はホラー小説『黒い家』(角川/貴志祐介著)。
映画が面白かったので、大学の図書館で借りて読んだそうです。
それからはミステリー小説を読み漁るようになったのですが、300冊ほど読んだ頃から読みたい本がなくなってしまうという状況に。
そんな時に倉井さんは、頭の中で「こんな話だったら面白いのではないか」というような空想をするようになったところから、小説を書こうと思うようになったそうです。
読みたい本がない→こんな話が読みたいな→よし、自分で書こう!と思えるのがすごいですね!
大学卒業後はフリーターへ
大学卒業後は深夜のコンビニで週2、3回のバイトをしながら実家で小説を書いていたそうです。
2回ほどバイト先のコンビニが閉店してしまい無職になってしまったこともあったとか。
30歳を過ぎた頃、お父様からの言葉もあってハローワークに行って就職活動を始めたりもしましたが、将来に対する不安などと葛藤しつつ、フリーター生活を続けていました。
そして34歳の時に、小説を書くにしてもまずは就職をしようと決意され、2018年に現在の職場へ入社しました。
倉井さんは現在ガスを扱う会社にお勤めになっています。
キャリア転職サイト「type」のインタビュー記事での写真に、作業着姿の倉井さんが写っています。
作業着に会社名が入っており、扱っている業務内容も一致しますので、おそらくこちらの会社にお勤めなのではないかと思われます。
このミス大賞受賞後も、この同じ会社で働きながら執筆活動をされているようです。
入社が小説との向き合い方を変えた
一旦筆を置くことを考えた34歳、しかしその後も執筆は続けていました。
20代のフリーター時代の方が時間に余裕はあったそうですが、その余裕が仇となり、小説を書かずにダラダラとする日が多かったそうです。
文学賞など応募する締切直前だけやる気を出すため、内容を推敲する時間もない、締切に間に合わないなどという悪循環にも陥りました。
倉井さんは実はこのミス第15回にも同じ「怪物と木こり」の内容で応募をしています。
しかし悪循環から抜け出せていない頃でしたので、締切に間に合わずに第16回に回され落選。
それが、就職後は規則正しい生活をするようになり、自然と締切も守れるようになったそうです。
今まで直そうとしても直せていなかった「推敲」「人のアドバイスを聞く」ということもやることによって、小説と真剣に向き合うようになっていきました。
そして見事、第17回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、同作「怪物の木こり」でデビューを果たしたのです!
ちなみに受賞を聞いた時、嬉しいけれども叫んだり万歳をするのはなんか違うと思った倉井さんは、腕立て伏せをしたという面白いエピソードもあります。
怪物の木こりはどんな作品?
怪物の木こり (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ) [ 倉井 眉介 ]
良心の呵責を覚えることなく、自分にとって邪魔な者たちを日常的に何人も殺してきたサイコパスの辣腕弁護士・二宮彰。
ある日、彼が仕事を終えてマンションへ帰ってくると、突如「怪物マスク」を被った男に襲撃され、斧で頭を割られかけた。
九死に一生を得た二宮は、男を探し出して復讐することを誓う。
一方そのころ、頭部を開いて脳味噌を持ち去る連続猟奇殺人が世間を賑わしていた。
すべての発端は、二十六年前に起きた「静岡児童連続誘拐殺人事件」に――。
引用:宝島社「怪物の木こり」より
サイコパスという言葉が話題になった時期もありました。
サイコパスとは精神病質者のことで、”精神病質とは反社会的人格の一種を意味する心理学用語であり、主に異常心理学や生物学的精神医学などの分野で使われている。”とwikipediaではなっています。
倉井さんが「怪物の木こり」を書いたきっかけとは?
倉井さんはこの小説を書いた動機について“「ミステリーという手法を使って、人が生きる意味や幸せとは何かを問いたかった」”とタウンニュースのインタビューで語っています。
また、別のインタビューでは“「人がサイコパスに変化していく過程で見せる苦悩の姿ではなく、もともとサイコパスな人が人間になっていくまでの“心の揺れ”を描きたい」”と考えたことがきっかけだったとも話していました。
この言葉を見ると、サイコパスVSサイコパスというハラハラする設定だけではなく、文学部心理学科を卒業された倉井さんが描く”心の揺れ”がどのようなものなのか気になります。
選考委員の方コメント
また、大賞を受賞した際の選考委員の方も、以下のようにコメントしています。
「ぶっ飛んだ設定のおもしろさに加えて、テンポのよさと意外性のあるプロットの魅力が光る。」
――大森 望(翻訳家・書評家)「サイコパスの弁護士が謎の覆面男に襲われるという意表を突く出だしからはまった。
入院した彼が自分の頭に脳内信号を制御するチップが
埋められているのを知り、その謎を追い始める展開もスリリング。」
――香山二三郎(コラムニスト)「追う者と追われる者が次から次へと入れ替わる驚異の展開。
なんといっても飽きさせない話運び、毒の強いキャラクターの描き方などにおいて、他より抜きん出ていた。
勢いがあり強い個性が感じられた。」
――吉野 仁(書評家)
引用:宝島社「怪物の木こり」より
やはり設定にまず驚かされていますね。
そしてその後の展開もスリリングで飽きない、ある意味ジェットコースターのようなミステリーという感じでしょうか。
テンポが良いということなので集中したらあっという間に読めそうです!
まとめ
今回は第17回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞した倉井眉介さんについて調べてみました。
次回作については、”「人の心は操れるか」をテーマに、社会的なリアリティに少しおとぎ話のような要素を混ぜたミステリーを構想している”そうです。
どんな作品か、今から期待しておきましょう!
怪物の木こりを絶賛していた浜辺美波さんの記事はこちら↓