『JUNK HEAD』という映画を皆さんは御存知でしょうか?
監督の堀貴秀さんが一人で7年間かけて制作したストップモーションアニメ映画です。
それだけでもインパクト大ですが、なんと堀貴秀さんは映画を制作するのは初めてだったいうのです。
制作のきっかけはなんだったのでしょうか。
また、実際見た方の評価や感想、公開中の動画などもまとめてみました。
堀貴秀監督『JUNK HEAD』とは
堀貴秀さんの本職は内装業
監督の堀貴秀さんは1971年生まれ、大分県出身。
本職はなんと内装業。
1990年に大分県立芸術緑丘高等学校卒業後、絵画、彫刻、漫画、操り人形やアクセサリーの制作など、芸術家を志して様々な創作活動に手を出していました。
ですが、どれも中途半端で長続きしなかったそうです。
2000年に内装やアートワーク専門の会社で独立、テーマパークの壁画を描いたり塗装などの仕事を請け負っていました。
2009年には一念発起し映画制作を決意、それまでの仕事を生活できるギリギリまで抑えて取り掛かり始めました。
こうした実務経験や自営業としての経営的な感覚は、後の映画製作にもとても役立ったそうです。
『JUNK HEAD』はどんな映画?
堀さんが制作した映画『JUNK HEAD』はSFストップモーションアニメ映画です。
ストップモーション・アニメーション(Stop motion animation)
静止している物体を1コマ毎に少しずつ動かしカメラで撮影し、あたかもそれ自身が連続して動いているかのように見せる映画の撮影技術、技法。アニメーションの一種であり、SFXの一種。コマ撮り(コマどり)ともいう。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
ストップモーションアニメは撮影対象の素材が何であるかで分類されています。
紙や切り絵、クレイや砂、人形などきっと一度は見たことがあるかと思います。
NHKの幼児向け番組『ニャッキ!』もクレイアニメの一つですね。
そんな『JUNK HEAD』は、ファンタジア国際映画祭で最優秀長編アニメーション賞、オルデンブルク国際映画祭で入選、ファンタスティック映画祭では新人監督賞を受賞しています。
ストーリーは公式HPにこのように紹介されています。
環境破壊が止まらず、もはや地上は住めないほど汚染された。人類は地下開発を目指し、その労働力として人工生命体マリガンを創造する。ところが、自我に目覚めたマリガンが人類に反乱、地下を乗っ取ってしまう。それから1600年──遺伝子操作により永遠と言える命を得た人類は、その代償として生殖能力を失った。そんな人類に新種のウイルスが襲いかかり、人口の30%が失われる。絶滅の危機に瀕した人類は、独自に進化していたマリガンの調査を開始。政府が募集した地下調査員に、生徒が激減したダンス講師の“主人公”が名乗りを上げる。地下へと潜入し、〈死〉と隣り合わせになることで命を実感した主人公は、マリガンたちと協力して人類再生の道を探る。今、広大な地下世界の迷宮で、クセ者ぞろいのマリガンとの奇想天外な冒険が始まる!
引用:https://gaga.ne.jp/junkhead/
主人公パートンや、主人公を拾った三バカ兄弟など、個人的にはかわいらしいと感じました!
どちらも監督の堀さんが声優を担当しています。
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⚙主人公/パートン
地上ではバーチャルでダンス講師をしている。
人口減少により経営が厳しくなったので、地下調査員の仕事に応募する。#JUNKHEAD pic.twitter.com/YKKvT2MsDR— 映画『JUNK HEAD』公式 (@JUNKHEAD_movie) March 4, 2021
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⚙地獄の3鬼神
博士によって一つのマリガン種子を3分割して作られたチョット頭の悪い3バカ兄弟。#JUNKHEAD pic.twitter.com/o35G7q8NQ6
— 映画『JUNK HEAD』公式 (@JUNKHEAD_movie) March 5, 2021
今作は、2013年に堀さんが初めて一人で制作した『JUNK HEAD1』という30分の短編作品に修正や新規の映像を加えた100分の長編。
全身となる『JUNK HEAD1』はアップリンク渋谷で1日だけ上映、また、YouTubeに日本語版と英語版を無料で公開。
すると、特に海外から好評でハリウッドの制作会社からオファーが届いたりもしたそうです。
ただ、堀さんは英語が苦手でスルーしたとのこと。
さらにはアメリカ大使館からも「どんなことも準備するので一緒にやりたいと言っているスタジオが堀さんを探している」というような連絡が入ったそうです。
ですが、ハリウッドに対して自由に制作できないイメージを持っていた堀さんは、そのお誘いを断ったそうです。
制作のきっかけは新海誠さん
7年かけて一人で映画を制作した堀さん。
そのきっかけはあの大ヒット映画『君の名は。』を同じく一人で作り上げた新海誠さんでした。
新海誠さんが話題になったニュースを見て、映画が一人で作れるのかと驚いたそうです。
もともと映画が好きでたくさん見ていました。
本職は受注仕事のため、自分の思い通りにできないもどかしさを抱えていた堀さんは、それをきっかけに「本当に自分が見たいものを作ろう」と立ち上がったといいます。
現実はそんなに甘くなく挫折を繰り返したそうですが、作品が作り上げられた理由を堀さんはあるインタビューでこう語っています。
「この映画を作る前、いろんなことに手を出して、うまくいかなかった。人生が中途半端だった。40歳目前、このままじゃ嫌だと思って挑戦したんです。やめるのは自分が死ぬ時、というくらいの気持ちで。たぶん自分は才能があるわけじゃなくて、単純にあきらめなかっただけ。やり続けたからできた作品です」
引用:Yahoo!ニュースより
諦めずに続けることが難しいことでもあります。
そして、堀さん自身は謙虚に答えられていますが、この『JUNK HEAD』の世界観は堀さんだから表現できたものだと感じます。
『JUNK HEAD』の評価は面白い?
実際に映画を見た方の口コミ、評価をまとめました。
パンフ(写真)も買ったんだけどお買い得が過ぎる。外部発注しなかったんだなって言うエディトリアル具合いだけど、その分大手ではあり得ない濃密さで情報が詰まっている。どっちを取るかって言うなら情報の方が嬉しいから最高。
DVDかBD出たら買うなぁ。コレは買う。#JUNKHEAD pic.twitter.com/12SUZ6g8uL— mari……designer (@mary_ne) May 19, 2021
#JUNKHEAD 鑑賞完了。これまた賛否両論ありそうな作品だけど、グロい描写の中にも感情移入してしまう世界観があって、あの優しさがね、心にしみるんだよな。クズはクズとしてしっかり描かれるし、生きるとは何か?みたいな哲学あり冒険ありのSFアクションの大作だった。今年観ておくべき一本。 pic.twitter.com/CibLulmPti
— オクターヴ (@TreeTre93040406) May 5, 2021
#JUNKHEAD
世界観、アートワーク全て好き!
地上は人間、地下層は人口生命体と謎の生物が生息していた…託された任務は遂行出来るのか…
なんとも愉快なディストピア!
食物連鎖…輪廻転生…深い深い
途中から主人公が修行僧に感じた。
3部作はよ観たい!
エンドロールほぼ監督の名前でアッパレよ pic.twitter.com/Mc7CPUkn5T— ふゆ (@fuyu12umare) May 12, 2021
他にもたくさんの感想がありましたが、ほとんどの方が「面白い!」「また見たい」「続編が楽しみ」と評価していました。
冒頭10分の動画が期間限定で公開中!
現在映画の冒頭10分が2021年5月末まで限定で公開されています。
予告よりも少し長く見てみたい方はぜひチェックしてみてください!
ちなみに、予告編は期間限定ではありませんので、6月以降はこちらをチェックしましょう。
まとめ
堀貴秀さんが一人で制作したストップモーションアニメ映画『JUNK HEAD』について、映画をつくるきっかけなどについてまとめました。
続けることの大切さ、堀さんの世界観と様々な経験が積み重なって出来上がった映画。
気になった方は見に行って損はないのではないと感じる作品に仕上がっているように感じました。
三部作の第一部の予定とのこと、あとの二部作も期待したいですね。
また、本日2021年5月24日に激レアさんにも堀さんが出演されるので、こちらもチェックしたいです!